今回は、過去1カ月分の人事・雇用関連の経済ニュースの中から、筆者オリジナルの視点で解釈したものを紹介します。

連れてきた優秀な外国人が「3日で夜逃げ」

つい先日、大学1、2年生に内々定を出したと話題になったファーストリテイリングが、今度はグローバルで人事制度を統一し、人事情報をデータベース化、人事異動もグローバル化するとのリリースを出した。有名どころでは、資生堂やキヤノン、武田薬品といった大手企業もグローバル人事制度の構築を打ち出しているが、スピード感でいえば同社が一番ではないか。

簡単に言うと、ユニクロ二子玉川支店と北京支店とロンドン支店の店長が同じ基準で査定評価され、同じ人事制度に従ってアップダウンするわけだ。そして「きみ、三ヶ月後からインドに転勤ね」なんて、ある日突然に辞令が来るわけだ。素晴らしい。グローバル化が単なる「社員の英語力強化」で止まっている日本企業が多数を占める中、同社は十年先を行っている。若手ビジネスマンは同社の動向に要注目だろう。

ところで、筆者は同社がグローバル化を焦る理由の一つは、外国人の人材確保なのではないかと考えている。実はバブル期の頃から、日本企業は優秀な外国人材を何とかして採用しようとあれこれ努力してはいるのだが、ほとんど定着に成功していない。筆者自身、ビザやら住居手配やらで3カ月ほど手間暇かけて連れてきた外国人に3日で夜逃げされたことがある(ちなみに“ニゲル”という名だった)。

理由は簡単で「業務範囲も処遇の基準もまったく分からないから、何をやるのかも分からないし、処遇に納得のしようもない」というもの。つまり、筆者がいつも口を酸っぱくして言っているように、職務を切り分けた上で職務内容に応じて値札をつけること無しに、日本人以外の優秀層はなかなか採用できないということだ。

ファーストリテイリングが目指す本丸も、やはりそこだろう。なにせ世界的に競争の激しい業界なので、ユニクロがグローバル企業の雄として成長を続けられるかどうかはまだ分からない。ただ、それが出来たとしても、同社で働く日本人は少数派となっているような気がしてならない。

※すべてメルマガ配信当時