友達や兄弟が名目的監査役というパターンも今は昔

非上場会社の社長や経営陣の方に「ここだけの話、監査役って何する人なのかイマイチよくわかんないです」と告白いただくことがよくあります。また、社長ならまだしも、やってる監査役自身が監査役が何をするかわかっていないケースも実は非常に多いのではないかと思います。 

上場企業などの大きな企業の場合には、「理想的なコーポレートガバナンスのあり方は?」といった観点から理論的に機関の形を考えて行けばいいですが、小さな企業の場合には「どのくらいのコストがかかるのか」「監査役になってくれる人が見つかるのか?」といった点も非常に重要です。

今回は、非上場企業の中でも小さめの会社、すなわち、

・会計監査人を置いてない(資本金が5億円未満で負債も200億円未満)
・もちろん会計参与も置いていない

という会社を中心に、「監査役」について考えてみます。

●そもそも今や監査役は必須ではない

「何する人かよくわからないけど、とにかく株式会社には監査役が必要だから、誰かにお願いしないといけないんでしょ?」と思ってる方は非常にたくさんいらっしゃいます。

しかし、2006年の会社法の施行以降、株式会社の機関設計は大幅に自由化されました。あまりに自由になり過ぎて、機関の組み合わせの数がものすごいことになり、どういう設計が可能なのかを完全に理解している人は、(もしかすると専門家でも)ほとんどいないんじゃないかと思われるほどです。

本連載の「ベンチャー投資の日米比較(2)」でも触れましたが、会社法では、株式会社であっても監査役は必ずしも置く必要はありません。

昔(会社法施行以前)は、株式会社には必ず監査役を置かないといけないことになっていたので、仕方なしに、友達や兄弟などに名目的に監査役になってもらうというパターンを非常に多く目にしました。(もちろんちゃんとやってる監査役さんもいらっしゃったことと思います。)

しかし今や、起業したばかりの会社等で、監査役の必要性も感じていないのに無理して監査役を置く必要は(少なくとも法律上は)無くなった、ということになります。