藤川太のアドバイス

「世話になった相手だから保険のリストラが言い出せない」という夫の言い訳はよく聞く。Cさんも生保レディによほどの恩義があるのかと、世話の内容を聞いてみると「バレンタインデーにチョコレートをもらった」とか、「入院したときに見舞いにきてくれた」という妻が聞いたら脱力するようなものばかり。しかも「保険の見直し」と称して、複数加入していた予定利率(保険会社が約束した運用利回り)が高い時代に加入した「お宝保険」のうち、一本は予定利率の低い10年更新型の保険に転換させられている。この見直しによって助かったのは保険会社のほうだ。

しがらみが断ち切れずに「保険のリストラ」に踏み切れないときは、今後支払うことになる保険料を試算してみよう。Cさんの場合、毎月の保険料が4万5000円なので、10年間では540万円にもなる。しかも更新型に転換させられたのが7、8年前なので、もうすぐ更新時期が到来し保険料が上がる。だが今年から子どもが私立高校に入学し、教育費負担も増えたため、このままでは貯蓄ができないどころか保険料の負担増により家計が破たんしてしまう。

こうした現実を直視して、保険の見直しに着手しよう。保険料が高すぎないか、同じような保障に重複して加入していないか、必要な保障が薄く、不必要な保障が厚くなっていないかをチェックし、家計の「ムリ・ムダ・ムラ」を発見する。

必要な保障額を計算すると、現在の死亡保障8000万円は多すぎる(当然保険料も高い)ので、4000万円程度まで下げ、さらに時間の経過とともに保障が徐々に減っていく逓減型の「収入保障保険」に変える。子どもが成人して巣立ちすれば大きな保障は不要になるので、保障が逓減しても問題はない。

医療保険は更新ごとに保険料が値上がりする更新型から、保険料が一定の終身型に切り替える。現時点で更新型と終身型の保険料を比べると後者のほうが高いが、更新型の保険料は年を取るほど高くなる設定のため、今のうちに終身型に加入したほうがトータルで支払う保険料は安くなる。これには夫婦で加入する。保障は働き手である夫のほうを厚めにすればいいだろう。