お金の「貯め方」については誰もが関心を持つし、ノウハウも数多い。しかしいくら貯めても、安心する日はまずこない。「お金にしがみつくとお金が澱み、行動も防衛的になる。お金は貯めるためだけではなく使うためにある。貯め込むだけでは、お金は働きません」と北川氏は言う。

より関心を持つべきは「使い方」。その基準は自分の価値観、「自分は何をすればいい感情を持てるか」に拠る。

「何も考えずに『使いたいから使う』という無意識の連鎖に任せてしまうと、人はお金の奴隷になってしまう。なぜ使うの? と自分を問い詰め、見栄や中毒といった“使っちゃう理由”に気づくこと。そこから初めて、社会貢献や自己実現という選択肢が生じます」

ただ、それをはっきり自覚している人は多くないし、お金を出す不安や恐怖とも戦わねばならない。

「きれいごとを、『本当はお金が欲しいんだけど』という自分の本音をバックアップするために使ってもいい。それをいえるくらい価値の高い人間だと思い込めば、そのうち本物になります。どんな人間も最後は働きたくなる。他人の役に立ちたくなるものです」

事業にせよ何にせよ、こうして見出した自分の価値観に沿ってお金を使うことで自分にいい感情が生まれ、周囲の人の、ひいては自分への実入りも含めたお金の流れの円滑化に繋がっていくのだ。

お金は天下の回り物……単純にして、なかなか奥の深い格言である。

(宇佐見利明=撮影 PIXTA=写真)
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