完璧に見える家計の問題点は保険にある。現在は夫は死亡保障4000万円の生命保険と、健康に不安があるという理由で10年更新タイプの医療保険に、妻は同じ医療保険に加入している。現在の保障内容では妻に万が一のことがあった場合に困る。というのも妻が家計管理の才能を存分に発揮しているから家計が成り立っているのであって、妻の死後夫が働きながら家計管理をするようになると、家計が崩れてくるだろう。

そのときの備えとしてある程度の保障は欲しい。また医療保険は更新のない終身型のほうが現時点の保険料は少し高くなるが10年ごとに上がることがないので長い目で見れば得だし家計管理もしやすくなる。

保険料を節約したいあまりに、必要な保障を失っては元も子もない。不安な場合はファイナンシャルプランナーに相談するのも手だ。とはいえ街角にある無料の保険ショップは保険の販売が目的なのでベストな保険を薦めてくれるとは限らない。有料でも中立的な立場のプロに相談したほうが最終的には得になる。

Bさんはもっと貯蓄をしたいと考えている。だが、ほとんど利息を生まない普通預金に預けているだけなので、手元に200万~300万円だけ残し、余剰分は住宅ローンの繰り上げ返済に回したほうが、利子を大幅に減らせるので得だ。そして上の子どもが大学に入学する12年後までに払い終えることができるプランを立てれば、学資保険に入る必要もない。住宅ローン返済分の7万5000円(年間90万円)を学費に充てられるからだ。預貯金の積立分と合わせれば12万3000円(年間約150万円)になるので、私立大学に行かせることもできる。もし短期間で返済できる見通しが立つなら、金利の低い変動金利を組み合わせたプランに借り換えることも検討しよう。

年収400万円から500万円のそれほど収入が多くない世帯は、一般に生活が厳しいだけに夫も家計に関心を持ちやり繰りに協力的。夫婦の会話も多くなり、幸せな家庭を築いているケースが目立つ。Bさんの家庭も家族の仲がよく、夫婦の価値観が一致しているため、不況に強い家計ができているのだ。