経団連のシンクタンク、21世紀政策研究所は4月、2050年までの日本と世界50カ国の長期経済予測をまとめた。思うように進まない行財政改革や東日本大震災後の長期的なエネルギー政策の問題などが山積するなか、日本と世界50カ国の経済を予測。10年にはGDP5兆ドル余りだった日本は30年代以降、マイナス成長に転じるという。

報告は「グローバルJAPAN-2050年シミュレーションと総合戦略」と題され、人口減少や投資・貯蓄動向、生産性の変化を試算して4つのシナリオを提示している。そのうち、事務局として作業に携わった同研究所主任研究員の石附賢実氏が「これが最も現実的シナリオ」という予測では、日本が今後、主要先進国並みの生産性上昇率1.2%を達成できても、41~50年のGDP成長率は-0.47%。現在世界3位のGDPはインドに抜かれ4位に後退する。

もし、生産性上昇率が直近の“失われた20年”の平均0.5%のままなら、同時期の成長率を-0.86%。政府債務がさらに膨張する最悪のシナリオでは、10年代からマイナス成長になり、成長率は-1.32%に落ち込むという。一方で、女性の就業率が北欧並みに上がっていけば、-0.46%にとどまるというのが、最もいいシナリオだ。

しかし、石附氏は「いたずらに悲観的になるのではなく、長期的視点で課題を解決できれば、経済大国としての日本は維持できる」とし、そのために提言も盛り込んだという。主なものは、(1)女性と高齢者の労働参加の促進、(2)中国などアジア新興国の成長の取り込み、(3)財政健全化などである。