『社員をサーフィンに行かせよう』 イヴォン・シュイナード著 東洋経済新報社

「サーフィンに予定は立てられない。良い波がきたら仕事を中断しても行くべきだ」。ビジョナリーカンパニーの代表選手と目されるパタゴニア社の創業者はいう。

同社の優れたアウトドア用品は社員自らの「遊び」を通じて生み出される。波に乗れるのも山に登れるのも、自然があるから。「健康な地球なしに株主も顧客も社員もない」。だから売り上げの1%か利益の10%を地球環境保全のために毎年寄付する。

タイトルに騙されてはいけない。読み取るべき大事なメッセージは、このような働き方や経営が可能なのは社員個々人の日頃の準備、責任感とそれへの信頼という背景があるから、という点だろう。新しい経営哲学としても大変興味深い。