昇進、リーダー育成を「卒業型」から「入学型」に

欧米企業では、早期に幹部候補生を選抜し、真のリーダーになるために、つまり、幹部層に「入学」するための育成を施す、「入学型」選抜育成がなされる。これに対して、日本企業は、今、あるいは過去の仕事で一定の高業績を実現できた者を、その仕事から「卒業」させて、ご褒美として、次の層に上げる、という「卒業型」選抜を採択してきた。「卒業型」では、下のポジション(セールスマンなど)で成功しても、上のポジション(セールスダイレクター)で成功するとは限らないし、優秀な人材の早期抜擢は実現しない。

また、欧米企業は、企業理念とビジネスプランを受けて、その企業のグローバルリーダー像を明確にしている企業が多い。一方、日本の大手企業54社に対する「グローバル化に関するアンケート」(06年実施)の結果では、「グローバルリーダーの要件を確立している」と答えた会社は11%となっている。優秀な現地人材にしてみれば、選抜の基準が曖昧なため、努力のしようがなく、自然と「どうせ日本人でなければ偉くなれないんだ」という気持ちになってしまう。

欧米の一流企業はその点が明らかに違う。GEは「GEバリュー」という企業理念から、採用、評価、選抜基準にまで落とし込み、グローバルベースで用いている。