2012年6月7日(木)

「スカイツリー」「ヒカリエ」……。シビアな生存競争を勝ち抜ける新商業施設はどこ?

ビジスパメールマガジン「『食』から読み解くマーケティング」

ビジスパ

著者
子安 大輔 こやす・だいすけ
カゲン取締役、飲食プロデューサー

子安 大輔1976年生まれ、神奈川県出身。99年東京大学経済学部を卒業後、博報堂入社。食品や飲料、金融などのマーケティング戦略立案に携わる。2003年に飲食業界に転身し、中村悌二氏と共同でカゲンを設立。飲食店や商業施設のプロデュースやコンサルティングを中心に、食に関する企画業務を広く手がけている。著書に、『「お通し」はなぜ必ず出るのか』『ラー油とハイボール』。株式会社カゲン http://www.kagen.biz/

執筆記事一覧

子安大輔=文
1
nextpage

「繁華街型大規模ビル」の前途多難

 今年の上期は商業施設のオープンラッシュです。メディアでも連日報道されていますので、ご存知の人も多いことでしょう。そのラインナップを今一度確認してみましょう(関東圏に限定してしまい、すみません)。

・3月2日  イーヨ!!(丸の内)
・3月16日  コマツ(銀座)
・4月13日  三井アウトレットパーク木更津
・4月18日  東急プラザ表参道原宿
・4月19日  ダイバーシティ(お台場)
・4月26日  ヒカリエ(渋谷)
・5月22日  東京スカイツリー(押上)
・7月(予定)  JPタワー(丸の内) ※中央郵便局跡地

ご覧の通り、これだけ大型の開発案件が続くというのも珍しい事態です。

さて、これらの商業施設は次の3つのタイプに分類することができます。

A : 郊外型ショッピングモール……三井アウトレットパーク木更津
B : 都市型観光スポット……ダイバーシティ、東京スカイツリー
C : 繁華街型大規模ビル……イーヨ!!、コマツ、東急プラザ表参道原宿、ヒカリエ

この中でAの「郊外型ショッピングモール」に関しては、いわゆるマーケティングの視点がプランニングの上ではもっとも大切と言えます。商圏内にどの程度の人口がいるのか、彼らの家族構成や世帯年収はどうなっているのか、求められているニーズは何なのかなど、基礎的なデータがかなり必要ですが、それを前提に組み立てれば大外しすることも少ないでしょう。これらのモールもだいぶ数が増えましたので、今後どれだけ出店立地の余白があるかはわかりませんが、その余白があるゼロになるまでは新たなものができていくでしょう。

次にBの「都市型観光スポット」です。これに関しては東京や近郊の居住者以上に、地方からどの程度の観光客が訪れるかという点が重要になります。そして今や最大のポイントは海外、特に中華圏からの観光客をどう呼び込むかにかかっています。ですので、建物やテナント構成の魅力度を高めるという努力はもちろんですが、交通アクセスの整備やパッケージツアーの売り込みなど、この地に足を運ばせるための環境を整えることがプロジェクトの成否を握っています。

最後にCの「繁華街型大規模ビル」ですが、このタイプがもっとも先行き不透明ですので、じっくり考えてみましょう。

PickUp