たとえば、日本航空(JAL)のような会社はいくら少数精鋭にしたり、コストダウンしても将来性が期待できるような元気な会社にはならない。LCC(ローコストキャリア)と呼ばれる格安航空会社は、JALの半分の値段で飛行機を飛ばして利益を出している。どうしてこっちは赤字で、向こうは黒字なのか。

JALの経営にもパーキンソンの法則は当てはまる。会社が存在しているだけで余計な仕事が生まれるのだ。飛行機を飛ばして顧客をA点からB点まで時間通りに運ぶ、という業務以外の仕事をしている人間が組織の大半を占めるようになる。そこでコストダウンすれば、今度はパイロットも客室アテンダントも疲労困憊し事故の危険性が高まる。機械の修理や整備部門のコストを削れば、こちらも破綻しかねない。

一方、アメリカのサウスウエスト航空、エアアジア航空(マレーシア)、ジェットスター航空(オーストラリア)、ライアンエアー航空(アイルランド)などのLCCでは1人の社員が3役も5役もこなす。カウンターでチケットを切っていた人が客室乗務員になったり、パイロットが荷物の収納係をしていたり。だからJALの半値で飛んでも儲かる。

安全性も分業体制で確認する大手と違い、パイロット一人一人が全体をきちんと確認したうえでフライトするので事故率も低い。つまり、JALがいくらコストダウンしても、LCCに対抗できるはずがないのだ。