マーケット・セグメンテーションの方法としては、基本的に二つある。第一の方法は、ユーザーの目的関数、ニーズによるセグメンテーションで、さまざまな顧客が製品をさまざまに利用する、その行き方によって分けてやる。

一つの例として、コーヒーを考えてみよう。ある人は、眠気を追い払うため、あるいは注意力を失わないためにコーヒーを飲む。いっぽう、コーヒーをくつろぐため、あるいは付合いのため(コーヒーブレーク)の道具として考える人たちもいる。いろいろとある顧客グループのなかでは、これらの目的に合わせて、コーヒーの入れ方から始まって、味の好み、一回の消費量、果てはカップの型まで、すべてにわたって違ってくるのではなかろうか。

二つのグループをともに“コーヒー”事業単位として扱うこともできるが、コーヒーを気晴らしに利用する人たち(セグメント)は、家庭娯楽市場、または余暇時間市場というセグメントに含めてしまうことも可能である。

マーケット・セグメンテーションに当たって苦労するのは、自社が(あるいは競合他社が)せっかく他と異なるサービスや製品を提供しても、さまざまな小顧客グループが実際にそれに見合うほど、多種多様な目的を追求しているのかどうか、見きわめなければならないことだ。

年齢、人種、職業の違い、地域、家族構成の差など、はっきりした差違は、確かにセグメンテーションの基礎にすることができる。しかしこうした違いは、一般に戦略的セグメンテーションに役立つというよりも、むしろ手軽な統計上のクラス分けの材料になるにすぎない。“相違”そのものは、各セグメントがはっきり区別できる目的を持ちそれが企業の市場接近の方法になんらかの形で役立てうるものでない限り、意味がないのである。