私がマッキンゼー時代、クライアント企業の経営戦略を立てるとき、理論的支柱とした基本的なフレームワークの一つに「3C分析」がある。Company(自社)、Customer(顧客やマーケットの状況)、Competitor(競合相手)の3つの視点で個別に、あるいは相互の関係性から総合的に分析して、自らの立ち位置を評価し、直面している課題や今後の可能性を見出していく。

国家戦略のフレームワークも、基本的には同じである。CompanyがCountry(自国)になり、CustomerはConsumer(消費者、生活者)やCitizen(国民、市民)などに置き換えられる。Competitorはアメリカや中国をはじめとする競争相手国。為政者はこの3つの「C」の相対的な関係を踏まえて国家戦略を構築しなければならない。

民主党はCustomer、Consumer、Citizenに焦点を当て、生活者中心の国づくりをアピールしている。しかし、聞こえてくる政策はバラマキばかりで、具体的な産業政策もなければ、世界に対して日本はどういう立ち位置にあるべきかという思想も見えない。

生活者中心の国づくりといっても、日本国内だけで完結できる課題ではない。日本のような貿易立国は、国際競争力を失ったら将棋でいう詰みの状態になるわけで、世界との相対的な位置関係を常に認識しておかなければならない。そういう視点が民主党には欠落しているのだ。