容積率の緩和だけでは東京の街並みは変わらない。大きなネックが、美濃部亮吉都政(67~79年)の悪法である「日照権」条例の問題。隣の日差しを遮ることを理由に、自分の土地に建物を好きに建てられないなどというのは、外国ではほとんど説明不能の概念で、大手を振ってまかり通っているのは日本ぐらいのものだ。

マンハッタンでも香港でも隣ぎりぎりにビルが立ち並んでいる。しかし、東京ではそれが認められないので、日照権を考慮して上部が斜めの構造になっているビルが少なくない。そうした建物は上部に行くほどフロアの床面積が狭くなるので不動産としての価値が下がる。つまり富を生まないのだ。

大体、建て替えで高層化しようとすれば隣が影になるのは当然で、日照権がある限り建て替えは一切できなくなってしまう。都市の再開発には容積率の緩和と日照権の棚上げ(廃止でなくてもいい)が必要で、どうしてもお天道様が欠かせないというのなら、開発が終わった20年後に日照権を復活させるような措置を講じるべきだろう。