前述の“戦略的三C”に対応するに必要な自由度を失わないためには、戦略立案単位をあまり狭く規定しないようにしなくてはならない。

たとえば農業用トラクター・エンジンの場合、その戦略立案単位の組織上の位置が次の諸点に対応するに十分なレベルになければ、有効な戦略は期待できない。すなわち、(1)農業以外の製品利用や農業以外の顧客グループを考える、(2)船舶・トラック・建設機械用のエンジン、あるいは建設機械専用エンジンを製造する競合メーカー(さらにいえば、汎用のOEM専門メーカーといえども、いつ、自社製品とまったく異なるが応用の利く製品を引っ下げて農業用トラクター市場に参入してくるかわかったものではないので同様である)に対抗する――といった点に対応できなければならない。

したがって、この例の戦略立案単位としてより好ましい一つの選択は、“小型のディーゼル・エンジン”ということになりはしないか。なぜならば、こうした単位であれば潜在的に十分に広い展望を持っているものだし、戦略的な選択の自由度も十分に大きいはずだからである。