企業経営の場では、どんなときにも、種々多様な要因が存在し、それが結果を支配する。そして、これら要因を巧みに制御、ないし適用できれば、戦略も成功する、というわけだ。われわれは、これら要因を成功のためのカギとなるファクター――KFSと呼んできた。

たとえば、銀行業務は素人には恐しいくらい複雑な仕事に見え、理解には大変な知識がいるような気がする。ある意味では、それは本当である。だがなお、銀行事業の世界のKFSは、いかにしてコストを掛けずに金をかき集め、いかにしてそれを高く他に貸し付けるか、その方法を発見すること以上に難しいものではない。つまり、銀行にかかる資本コストの負担を最低限に保ついっぽう、利益を最大限に保ってくれる正しい貸付けのポートフォリオ、すなわち“組合せ”を見付け出せば、こと足りるのである。

造船業、製鉄業の場合には、いったんある生産技術を選択してしまうと、製造における規模の経済が覇権を握るためのカギになる。