真の戦略的思考家は、目の前のあらゆる代替案を理解し、常にそのコストと利益を天びんにかけて考えることを忘れないので、自社が直面する事態に必然的に生じてくるさまざまな変化に、柔軟に対応できるのである。そしてまた、この柔軟性こそ、成功のチャンスをふやしてくれるものなのである。

代替案を考慮することになったら、“もしもこうしたら”(what if)という問いかけがぜひとも必要になる。言葉を換えていえば、これは、状況がもしこうこうなら、どんな事を打てば一番よいか――と自問自答することだ。

しかし、頭を使う段になると、われわれはまったくひどい怠け者になる。これは、もしかすると、思考の過程そのものに自信がないことに、何か理由があるのかもしれないのだが、いずれにしても、われわれは十分に突っ込んで物を考えることを好まないし、“もしもこうしたら”という疑問と真剣に取り組むことにも、あまり熱心でない。