不安定だからこそコンサルタントを志した

「今から20年も前、戦略コンサルティングがそれほど世間的に知られていたわけでもなく、就職人気業種でもなかった時代、どうして戦略コンサルタントになろうと思ったんですか? 将来が見えにくくて不安を感じませんでしたか?」

ビジネススクールの学生たちから必ず聞かれる質問です。

背景にあるのは、「仮にプロフェッショナルの道を志すとして、プロフェッショナルと呼ばれる職業は世の中にたくさん存在するはずなのに、なぜ、とりわけ戦略コンサルタントという道を選択したのだろう?」という疑問であり、「医師や弁護士・会計士は一生続けることができる仕事だけれど、戦略コンサルタントは長くは続けられない(ように見える)不安定な仕事なのに、なぜ敢えてそれを志したのだろう?」という想いです。

正直に言うと、「それを聞いてどうするの? あなたはあなたでしょう。」と毎回思うのですが、取り敢えずそれは横に置きましょう。一言でいえば、不安定だからこそ志しました。5年後の自分、10年後の自分、30年後の自分が容易に想像できてしまう職業にはつきたくない、と真剣に思っていました。「数年後の自分が同じ職場の数メートル先に座っている」という環境のほうが、目標が明確に定まるから頑張れる、という人もいるのでしょうが、私は正反対でした。私には、安定した将来が保証された職場で、気を抜くことなく日々地道な努力を続けるほうがよほど難しく感じたのです。