日本の財政破綻は明日起きてもおかしくない状況だと思っています。そう聞いても人ごとと思うかもしれませんが、日本人は間接的に国債を大量に買っているんです。銀行や生保は、預かった預金や徴収した保険で大量に国債を買っているのです。もし財政が破綻して国債の価値が大幅に下がれば、預金は戻らず、保険金は払ってもらえず、国民が財産を失うことになるという認識は重要です。

ただ、本当に財政破綻させると社会が大混乱してしまうので、政府・日銀は最終的にはそれを避けるでしょう。どうするかといえば、日銀が禁じ手である国債の大量引き受けをすると思います。

それをすると、理論的にも過去の歴史から見ても、間違いなくハイパーインフレを引き起こします。ただこれは火事から逃げるために高層階から飛び降りるようなもので、政策でも何でもありません。ただ結果として、これが起きる、というのが私の結論です。

インフレに備えるには
外貨投資が保険になる

ハイパーインフレは悲惨ですよ。お金の価値が下がり、物価は急上昇。年金生活の人は困窮し、サラリーマンは給料が上がっても、物価上昇の速さにはついていけません。会社倒産もたくさん起きるでしょう。

そうした大混乱の時代が来る可能性を認識しておいたほうがいい。ハイパーインフレが起きれば、為替も下がって、1ドル=300円、500円という時代がやってきます。

ただ、暗いことばかりではありません。昔の1ドル=360円時代と同じで、時間が経てば日本は世界の工場に戻るんです。それで、景気も大きく回復します。今は海外に出ている工場が戻ってきて、仕事が増えて失業者も減ります。国際競争力が上がれば、株も不動産もどんどん上がるでしょう。

最終的には明るい日本が来るんです。だから、ポイントは大混乱する数年間をどうやって生き延びるかということ。となると、やはり外貨を買って分散投資しておくしかありません。