前2回に続いて、米国のベンチャー投資実務と日本のそれとを比較します。

「VCを殺すのには10年かかる」理由

ベンチャーキャピタルの収入は大きく、マネジメント・フィー(Management Fee)と成功報酬(Carried Interest)に分かれます。

マネジメント・フィーは、1年あたり、ファンドの全コミット額の1.5%から2.5%程度で、5年程度の「commitment period」を過ぎると、この率は下がるのが通例。
ファンド期間を通じた合計でファンドの全コミット額の15%程度になるのが普通のようです。
(つまり1億ドルのファンドなら1500万ドルがマネジメント・フィー。)

ベンチャーキャピタルは通常、いくつものファンドを数年差で立ち上げていくので、投資先の会社がExitしなくても、ちゃんと固定的な報酬がファンドから得られるわけです。
もちろん、あるファンドのパフォーマンスがものすごく悪いと、次のファンドの資金を集めるのに苦労するわけですが、マネジメント・フィーは10年間入り続けるので、「it takes a decade to kill a venture capital firm(ベンチャーキャピタルを殺すのには10年かかる)」という言葉があるようです。

もう一つが、成功報酬(Carried Interest、単に「キャリー」とも言うことも多い)。
キャリーはキャピタルゲインの20%が普通だが、ものすごく成功しているファンドでは30%取ることもあるそう。