コーヒーで攻勢かけるマクドナルド

さる4月29日に、日本マクドナルドは原宿に新店舗をオープンさせました。この原宿表参道店は795平米(240坪・328席)と国内最大面積を誇り、同社のフラッグシップとして戦略的な位置付けに置かれることは間違いありません。そしてこの開業に伴う記者会見にて、原田社長は新しい取り組みを発表しました。それは「コーヒー」に対する新たな挑戦です。

今年の7月にこの原宿表参道店にて、「マックカフェ バイ バリスタ」を併設するというのです。マックカフェ バイ バリスタでは、バリスタ(コーヒー職人)が注文ごとに淹れ立てのコーヒーをマグカップなどで提供することがウリで、1杯の価格は300円~350円を予定しているとのことです。

この店内併設コーヒーショップ(カウンター)を年内に20店舗まで広げ、5年後には現在のマクドナルド全店舗(約3,300店)の3割にあたる1,000店舗規模を達成することを目標としています。ちなみに現時点での情報だけでは、このカウンターではハンバーガーなどは売らずにコーヒーだけに絞り込むのかなど、具体的な店内オペレーションのことまではわかりませんが、ちょっと複雑になりそうですね。

この発表より少し前には、定番の「プレミアムローストコーヒー(S)」をこれまでの140円から100円に値下げする(=「100円マック」の仲間に入れる)ことをすでに決めていますので、これから先は100円と300円の2種類のコーヒーがマクドナルドでは同居するという少し不思議な事態になるようです。

さて、ここで代表的なコーヒーショップの一番安いホットコーヒーの価格を改めて比較してみましょう。

スターバックス :300円
タリーズ:300円
ドトール:200円
プロント:200円
マクドナルド:100円

きれいに100円ずつ違っていることがわかります。いくらスタイルや品質で優位にあるとはいえ、スタバやタリーズにとってはマックの100円コーヒーは脅威であるに違いありませんし、ドトールやプロントにとってはなおのことです。

ちなみにマクドナルドがコーヒーに力を入れ始めたのは2007年のことで、「マックカフェ」という名で最大15店舗まで展開していましたが、当時はあまりうまくいかず、このプロジェクト自体は失敗に終わっています。しかし、同社はコーヒーへの挑戦をあきらめることはなく、2008年にコーヒー豆やマシンを全面的に見直して提供を始めた「プレミアムローストコーヒー」がターニングポイントとなりました。

この商品を100円で打ち出したことで、「マックのコーヒーは安いのにおいしい」と評判になり、大ヒットしたのです。ちなみに、このプレミアムローストコーヒーを導入した2008年からの4年間で日本マクドナルドが販売したコーヒーは累計で10億杯だそうですが、これはその前の4年間の6.6億杯と比較すると実に1.5倍の規模に伸長しているのです。