もともとやりたかったスタイルを求めて移転

――なるほど。で、最初の物件はどこだったんですか。

09年11月、新橋の1丁目に最初の店をオープンさせました。スナックの居抜きで6坪弱、ソファ席がメインのお店です。前職での繋がりもあり、業界の方に楽しんでいただくお店として、おかげさまで繁盛しました。けれど、もともと自分がやりたかったスタイルは、お客さんと会話をしながらこだわりの焼酎を勧めてゆっくり飲むお店。そこで2年やったのち11年12月、同じ新橋で小料理屋さんの居抜きを借りて、現在の場所に移転しました。

――ゆっくり飲むというと、焼酎だけでなく料理もそれなりに用意しないといけませんよね。料理はどこで覚えたのですか。

お酒が好きなのでおつまみはよく自分でつくっていましたね。子どもの頃から母とキッチンに立つことも多くありました。けれど、それ以上は特に料理の勉強はしていません。

――自分が好きなものを出しているのですね。

はい。

――こだわりの焼酎はどうやって集めているのですか。

お酒に関してはもともと大好きだったこともありますが、焼酎アドバイザーの知識も活かしながら、懇意の酒屋さんから珍しいお酒を仕入れられるように日々努力しています。

――酒屋さんとはどうやって関係づくりを?

見つけたのはインターネット上だったのですが、その後何度も足を運び取引をさせていただけるように交渉しました。場所によっては到着するとまずはお酒の講義から始まったりもして……。そういった頑固さに私も惹かれて、今ではとてもいい関係が築けています。

――お取引先の酒屋さんはいくつくらいあるのですか。

メインは2つです。

(後編に続く)

(柴田励司=聞き手 高野美穂=構成)