2012年5月18日(金)

キムチを食べると美肌になるのはなぜか?

乳酸菌で便秘解消、カプサイシンで脂肪燃焼、βカロテンであなたの肌の代謝UP!

dancyu 2012年2月号

文・加藤 ジャンプ 撮影・岡山 寛司 教える人・大柳 珠美(管理栄養士)

昨今、メディアを賑わす韓流スターたち。彼、彼女らに共通するのは、思わず見とれるほど、きめ細かな美しい肌だ。そんなスターたちがインタビューなどで美白の秘訣を語るとき、よく登場するのがあの食材……そう、キムチである。

だが、本当にキムチを食べていれば、美肌になるのだろうか?

だとすれば一体どんなメカニズムが働いているのか。このキムチの秘密を糖質制限理論の専門家でもある管理栄養士、大柳珠美さんに解き明かしてもらった。

「まず、キムチで一番有名なのは乳酸菌の効用でしょうね」と大柳さん。

そもそも腸内では数多くの乳酸菌(いわゆる善玉菌)が働いているが、キムチの善玉菌が加わることで胃腸は活性化される。さらに原料の白菜などに含まれる食物繊維は、腸内の善玉菌の餌となり彼らをパワーアップさせるのだ。

こうした乳酸菌を摂ることの最大の恩恵は便秘の解消だ。「便秘になると大腸に溜まった便から出る毒素が腸壁に吸収されて、全身に送られます。これを皮膚から排泄しようとして、肌荒れや吹き出物ができる(大柳さん)」というから、腸内環境を整えることイコール、体を内側から綺麗にすることなのである。

ここでのポイントは、キムチに含まれる乳酸菌の「質と数」だ。まずキムチの乳酸菌は白菜やにらを糧とする乳酸菌(植物性乳酸菌とも言われる)だが、このタイプは胃酸に負けず生きたまま腸まで届きやすい性質をもつ。

さらにキムチは乳酸菌の数が莫大で、1グラム当たり8億個とも言われている。漬物は雑菌の繁殖を防ぐために塩分が多くなりがちだが、実は乳酸菌は塩分が強い環境では繁殖しにくい。ところがキムチは唐辛子が雑菌の繁殖を抑えるので、塩分量を控えめにできる。結果、乳酸菌の量も大幅アップできるのだ。

βカロテン、ビタミンAは、全身を駆け巡る「美肌の伝道師」

この乳酸菌に加え、もっと直接的に肌に作用すると大柳さんが指摘するのは、唐辛子のβカロテンだという。

βカロテンとはあの唐辛子の真っ赤な色素である。一般的には緑黄色野菜に多く含まれるものだが、唐辛子はこのβカロテンの含有量が突出して多い。これが胃で消化され肝臓に貯蔵されると、その多くがビタミンAとなって働き始めるのだが、「このビタミンAの作用は広範囲、全身に及ぶんです」と大柳さんは言う。なぜならビタミンAの最大の働きは「皮膚と粘膜への作用」であるからだ。

肝臓から血液を通じて全身に行き渡ったビタミンAは肌や臓器を健全に保護する。その結果、表皮の新陳代謝が活発になって、肌を美しく保つのだ。まさに美肌の陰にビタミンA、なのである。

一方、肝臓でビタミンAに変換されずに残ったβカロテンは何をしているのかというと、「老化を引き起こす活性酸素を消しに行く」そうで、肌のメラニン生成を抑えて美白を保つ効果もあるのだ。

βカロテン、驚くべき働き者である。

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加藤 ジャンプ