日本でも「アメリカに進出したい」と考えている会社や人は増えているんじゃないかと思います。今回から、米国のベンチャー投資実務と日本のそれとを比較して、アメリカに進出するベンチャーや、アメリカに投資する人のファイナンスについて考えてみたいと思います。

米国のベンチャーは資金調達の選択肢が豊富

米国でのベンチャーの資金調達では、良くも悪くも、あまり将来を深く考えないで調達してしまっているように感じられることがあります。

これは、一つには、日本の方がベンチャーに挑戦する人が少なく、競争がゆるやかだから、のんびり将来のことを考えるゆとりがある、ということがあるんじゃないかと思います。

逆に、アメリカでは、同じようなビジネスモデルに何社もが群がり、「やってみないと先のことはわからない」ということも多いかと思います。(日本でも、ベンチャーの計画が、そのとおりに行ったというのは見た事がないですが、米国では、さらにあてにならないかも知れません。)

加えて、アメリカでは、もし資本政策で創業者の持株比率が大きく下がっても、バイアウトされる可能性もありますし、IPO後も、買収防衛策やデュアルクラス株式など、いろいろな手段を使える可能性もあります。また、ベンチャーキャピタルが放出する株式を受け止める、層の厚い機関投資家の資金もあります。

これに対して日本の場合には、「反社会的勢力対応」をはじめ、株主の選択を慎重にしないといけない要素がいろいろあります。