売り手と買い手は「夫婦の関係」

「単品管理は運動と同じです」(PIXTA=写真)

「例えば、夫婦の間でも、結婚して最初のころはちょっとしたことで満足したことが、慣れるとそれが当たり前になり、同じことをやってもさほど満足しなくなります。すると、ちょっとしたことで不満が募るようになる。夫婦の間でもそうですから、これが店と顧客の関係だったら、客足は遠ざかり、二度と戻ってきません。顧客は期待度を上回るものを提供されて初めて満足するため、店側は常に新しいものを提供することで、顧客のロイヤリティ(忠実度)を維持できるのです」

鈴木氏の例え話の特徴は、身近な生活からネタを取ってくることだ。自身の家庭内の話もよく登場する。ビジネスは複雑に思えるが、同じ人間の営みである以上、基本的な部分では重なるところが多いのだろう。身近な生活の話は誰しも同じような経験をするだけに共感を呼びやすい。

本人は「特に意識してネタを収集しているわけではなく、日ごろから関心を持っていると頭の中のフック(針)に引っかかってくる」と話す。日常の生活を送りながら、ちょっとしたことにも、「これは仕事の世界にも通じる」と気づく着眼力を磨き、例え話のネタを集めておくべきだろう。

※すべて雑誌掲載当時

(尾関裕士=撮影 PIXTA=写真)