「集中力が限界」に達したとき([17])のリセット法は、チョコレートを食べること。脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖を供給する。なお、おにぎりなどのデンプン質だと、脳に吸収されるのに2時間かかるため、チョコレートなどの甘い物がお勧めである。さらに何かを食べると副交感神経優位になり、リラックスできる。一度、リラックスしてから再スタートをきるというのが大切なのだ。

午前中に働く意欲が湧かない質問[18]のような人は、朝食に問題がある。朝食抜きは論外、朝は脳に栄養が必要だ。この場合、[17]とは逆に、主食のご飯やパンをしっかり食べてゆっくり血糖値を上げていこう。先に述べたように、デンプン質は分解に2時間かかるので、出社が9時なら7時に食べるのがいい。

質問[19]のように最大限の能力を出せていないと感じるのなら、脳に軽度な負荷を掛けてみよう。脳内にアドレナリン、ノルアドレナリンが分泌して潜在的な能力をパワーアップしようと試みる。ストレスを掛ける簡単な方法はタイマーを使って時間の制限(所要時間は適切に見積もること)を設けることだ。ちなみに、制限時間がきても仕事が処理できていなければ、次の仕事に移るほうが脳は効率的に働く。

質問[20]のように知識を高めるためには制限された状況をつくり出すことが効果的。例えばスターバックスに行けばダレることもできず長居もできず、交感神経優位の理想的な環境だ。この項目を覚えたらスマホの電源を入れてツイッターしてもいいというようにご褒美を用意するとさらにいい。

発想力を鍛えるとは記憶や感情の制御、行動の抑制といった重要な役割を担う前頭前野を鍛えることである。自分の脳内スイッチのありかを覚えておこう。

(構成=山本信幸)
【関連記事】
成功の秘訣「やらない」「断る」「捨てる」
イライラしない練習
やる気が出ない、飽きたときはどうするか
<脳の新科学>走ればボケ防止&頭がよくなる【1】
「脳とやる気」1秒で集中スイッチを入れる法【1】