われわれにとって「よく見えている」これらのことがらは、ひとたび太平洋の彼方に行けばまったく解像されない「均質国家日本」になるのである。それと同じことが、われわれにとっての海の彼方であるベルギーで、あるいはスイスで起こっている、というだけの話である。ベルギーのような小さな国の中でもオランダ、フランス、ルクセンブルグ、ドイツなどの影響を微妙に受けて、狭い国土の中でも人の気質や風土が激しく変化する。内に住む人にとっては、アントワープとブリュッセルの違いのほうが、スイスとオーストリアの違いよりも重要であることが多い。