投資の世界には「コングロマリット(複合企業体)・ディスカウント」という言葉がある。GEのような複合企業は一つ一つの事業単体の価値は高いのに、コングロマリットとしてのGEの株価は低い。ジャック・ウェルチのような傑出した経営者がいなくては、どこかに大企業病の芽が出てくると警戒されるからである。今、世界的に見て株価が高いのはアップルしかり、グーグルしかり、比較的単純な商売をしている企業だ。総合電機、総合自動車、総合食品などの企業は総じて株価が上がらず、事業を個別に見たほうが評価は高い。日本の企業でいえば日立製作所などはその典型で、事業をバラしたほうがよっぽど時価総額は高くなる。実は国家にも「コングロマリット・ディスカウント」がある。日本のように民主党政権下であれもこれもやるといいながら、結局何をやろうとしているのかわからない国というのは、世界から評価されない。勢いがいい国というのは、1つか2つのことに集中して取り組んでいるものだ。たとえばシンガポール。多国籍企業がアジア本社を置く金融センターを目指して、法律を変え、税金も安くしている。アジアの金融センターとして生きていくことに国を挙げて取り組んでいるから、福祉をどうするとか、少子高齢化をどうするといった議論はほとんど(外には)聞こえてこない。