なぜ私が経営戦略と軍事科学とを比較するのか、もうはっきりおわかりと思う。一方は軍事戦略家の任務で、もう一方はミドルおよびトップマネジメントの大切な戦略活動なのだが、その間に、重要な共通事項があるからである。経営管理者は、市況をにらみ、自社の長所、短所を客観的に値踏みする。そして、必要に応じて柔軟に方向転換をし、個々の経営行動から生ずると考えられる利益ないし損失の量を計算する。結局、その立場から、経営戦略家にしても軍事戦略の立案者にしても、完全主義のワナにはまりやすい、ということだ。