うまくいっていない事業には必ず、機能別能力に弱いところか、投入資源不足のところがある。土俵をずらすということは、これらの不足を補う方途として、自力回復だけでなく他人と手を組んでやることまで拡大する、製造をやめて販売だけやる(あるいはその逆)というように、乗直方向の代案の検討などが含まれるだろう。

また、撤収を可能にするためには、固定費の受け皿が必要である。だから、むしろ当該事業以外の拡大戦略の立案を先行させ、結果として、よりよい事業機会に経営資源を再配分するために、発展的に事業の一つや二つは犠牲にするという全体像が描けていなくてはならない。局地戦をいくら集めても全体戦略は出てこないのであり、やはり生きた企業としては、何年に一回かは全社の資源配分を見直す作業が必要である。こうして構築された全体像から各論に入ってゆけるならば、経営の意思決定もはるかに容易になってゆく。この仕事はまさに企業参謀の中枢的な仕事である、と言わねばならない。