一人のリーダーの出現で国家がシェイプアップされる事例は少なくない。英国病と揶揄され、あと200年は没落したままと言われたイギリスは、「鉄の女」サッチャーの登場(79年)で劇的に生まれ変わった。今の強いアメリカの礎を築いたのはやはりレーガン一人であり、70年代後半の(今の民主党政権のような大きな福祉政府を推進した)カーター政権が続いていればアメリカの再生は大幅に遅れただろう。ゴルバチョフ一人でソ連共産主義を打ち倒し、プーチンは一人で新しいロシアをつくり上げたのだ。ちなみに昨今、「鉄のお嬢さん」と呼ばれているのがドイツのアンゲラ・メルケル首相。地元ドイツだけではなくヨーロッパ各国から希望の星として期待を集めている。サッチャーとメルケルの共通点はともに物理学を専攻した科学者で、自由主義経済とスモールガバメント(小さな政府)を信奉する筋金入りの保守主義者であることだ。ヨーロッパの未来は当面、メルケル抜きでは語れないだろう。