「バカを言うな。事実がどうかなんてのは問題じゃないんだ。アメリカの半導体業界というのはTI(テキサスインスツルメント社)のようにお行儀のよい優等生を除けば、皆シリコンバレーでブリキ屋根にブーツばきの四畳半産業(コッテージインダストリー)から一夜のうちに成り金になったものばかりさ。裏庭に土足で侵入してくる奴がいれば、バンバーンと鉄砲を撃つのなんてのはお手のもの。これがこの業界の精神風土なのだ。だから日本の半導体メーカーが裏庭に入って来ようものなら、ところかまわずバンバーンとやるのさ。それで逃げていけば大もうけ。逃げていかなくてもともとよ。騒いで損になることなんて、われわれにとっちゃなにもない。だから理屈だの事実なんてものにまったく興味はないのさ」と、ざっとまあこういう趣旨の非常に明快な説明をしてくれた。この発言は私の聞いた数あるアメリカの対日観のなかで、最も正直で、かつポイントをついたものである。