日米半導体摩擦

2012年 5月 5日 (土)

「バカを言うな。事実がどうかなんてのは問題じゃないんだ。アメリカの半導体業界というのはTI(テキサスインスツルメント社)のようにお行儀のよい優等生を除けば、皆シリコンバレーでブリキ屋根にブーツばきの四畳半産業(コッテージインダストリー)から一夜のうちに成り金になったものばかりさ。裏庭に土足で侵入してくる奴がいれば、バンバーンと鉄砲を撃つのなんてのはお手のもの。これがこの業界の精神風土なのだ。だから日本の半導体メーカーが裏庭に入って来ようものなら、ところかまわずバンバーンとやるのさ。それで逃げていけば大もうけ。逃げていかなくてもともとよ。騒いで損になることなんて、われわれにとっちゃなにもない。だから理屈だの事実なんてものにまったく興味はないのさ」と、ざっとまあこういう趣旨の非常に明快な説明をしてくれた。この発言は私の聞いた数あるアメリカの対日観のなかで、最も正直で、かつポイントをついたものである。

出典:

『大前研一の加算混合の発想』(硬直思考からどう脱するか)
大前研一の加算混合の発想

光は赤、青、緑と混ぜてゆくうちにだんだんと減色し、ついには無色になってしまう…流動し、不透明な現代ほど、 この「加算混合の発想」が要求される時代はない。企業参謀としてわが国産業界に「戦略的思考」の芽を植えつけた著者が初めて舞台を国際経済、国内政治・社会に移し、様々の大胆な改革案を世に問う。ベストセラー『新・国富論』の原点。

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