では、どうすれば、タコ足分配の投信を見分けられるのだろうか。一つは基準価額の変動と受け取った分配金の両方を見て、トータルで利益が出ているか否かに目を向けることだ。基準価額の推移を見て、どんどん価格が下がっているのに高い分配金を出しているものは避けたいところ。「モーニングスター」や「投信まとなび」といった投信の評価サイトを参考にしよう。

また、すでに投信を購入している場合は分配金の種類に注目したい。投資による儲け(利益)から出る「普通分配金」ならば問題ない(10%の税金が差し引かれている)。だが、受け取っている分配金が「特別分配金」ならば要注意だ。こちらは自分が預けた投資元本を取り崩す形で分配金が支払われているだけだからだ(利益ではないので非課税)。余裕のある人は、投信の「運用報告書」で「損益の状況」を見ると、(1)から(4)のうちどの「分配原資」から分配金が支払われているかを確認することも可能だ。

――最後に。そもそも、分配金を頻繁に引き出すと、運用益を再投資することによる複利効果がそがれるうえ、分配金を受け取るたびに税金も取られる。資産を増やす現役世代には毎月分配型投信は不向きなのだ。投信を選ぶ際には、分配金の多寡ではなく、投資対象や運用の手法、リスクなどを総合的に判断することが大切だ。

※すべて雑誌掲載当時

(坂本道浩=撮影)