浅香山親方

元大関・魁皇。本名・古賀博之。1972年、福岡県直方市生まれ。身長185cm、体重170kg。引退後は年寄浅香山を襲名。現在は友綱部屋付きの親方である。中学校卒業後に友綱部屋に入門、88年3月場所で初土俵。2000年5月場所、14勝1敗で幕内初優勝を果たし、名古屋場所後に大関昇進を決める。幕内最多出場、通算最多勝星など数々の記録を残した名大関である。地元の筑豊本線・篠栗線(福北ゆたか線)博多・直方駅間を走る特急列車の名称「かいおう」にも採用された。


 

相撲部屋のちゃんこに鶏を使うものが多いのは、二本足だから土俵に手を付かないというゲン担ぎなんですね。

自分の場合も、場所中の昼のちゃんこは必ず鶏でした。ゲン担ぎだけど、それがもうやめられなくて。やめるときまでずっとです。

そういうこともあって、引退してからランチが楽しくて。ランチっていろいろなものを食べられるでしょ。もう最高ですよ。

でも結局、「くに」ばかりに来てしまうんです。とにかく肉がうまい。国技館の目の前にあるから、本場所の15日間で10回来たんです。

ステーキはいつもオージーのヒレですね。脂は苦手であっさりしているのが好みなんです。ハンバーグも必ず一緒に注文します。それぞれ300グラムずつ。やっぱりステーキっていうとね、こうちっちゃくしちゃダメなの。ごつく切って食うのが一番いいですね。

あと、デザートもうまいんですよ。この、黒蜜きなこのアイスクリーム。もう一個もらおうかな。

若い衆の頃、体をつくり上げている時期には肉をすごい食べるんです。甘いものは意外に食べなくて、肉ばかり、最低でも一キロ以上は食べる。

稽古が終わって、いっぱい飯食って昼寝すると、起きたときにはもう体がきしんで動けないくらい。しんどいから、これは体が成長しているんだって自分で言い聞かせてね。

ゲンコツがね、起きたら一回り大きくなっているんですよ。うれしかったですね。もう相撲取りはすごいなって思いました。入門すると猛稽古でいったん痩せて、そこからいい具合に筋肉と脂肪が付いてくる。普段は柔らかいんですね。でもちょっと力を入れるとカチッとする。

お酒は飲むには飲みますけど、あんまり好きじゃないんですよ。信じてないでしょう? 誘われたり、お酒を勧められたりすると断りきれないタイプで。飲めるほうだからついついたくさん飲んでしまい、馬力(相撲の隠語で大酒を飲むこと)が強い代表みたいに言われてきてしまった。

家から近いので錦糸町の「一喝」には夜に行きますね。こってりしたいわゆる大阪風とは一風違う串揚げで、50本食べても胃もたれしないんですね。好きなネタは子持ち昆布です。ビールが合いそうですけど、ここでもウーロン茶のみ。食べるときには食べることに徹します。

まだちょんまげは付けています。

「なくなったらラクだぞ」ってみんな言いますね。毎日結ってもらわないといけないんで、旅行にも行けないし、枕にべっとり油が付くし。ずっと結ってきた髪ですからね。まだ何とも言えないですよ。まだ自分でも実感がありませんね。

断髪式は5月27日です。