今年3月、“太陽嵐”が地球に届いたことが話題になった。太陽嵐は、簡単にいえば、太陽表面での爆発(太陽フレア)などによって放出された電磁波や粒子などが地球に到達する現象のこと。通信や放送に障害が発生する可能性があるほか、さらに磁気嵐が発生すれば、変電所の故障による大規模停電などの被害が出る。1989年に発生した大フレアでは、大磁気嵐でカナダ・ケベック州で600万戸が9時間停電した。

今年3月に観測された太陽表面の爆発は最近5年間で最大規模だった。(PANA=写真)。

太陽嵐は11年周期で活動が活発になり、次は2013年に極大期を迎えるといわれる。3月の太陽嵐による影響は予想を下回ったようだが、今後来年にかけて、通信や放送などに影響が出るような太陽嵐が、日本でも起こらないとも限らない。

今までの太陽嵐の被害では、人工衛星の故障が最も多いが、現在では宇宙飛行士の被曝も懸念されている。「宇宙飛行士が船外活動しているときに10年に1回の大フレアが起きたら、致死量に近い放射線量を被曝するかもしれない」と京都大学大学院理学研究科附属花山天文台台長・柴田一成氏は言う。

じつは日本の太陽観測技術は世界トップレベルにある。太陽フレアの発生条件の解明はまだ途上だが、フレア発生後の地球への影響度合いは予測できはじめている。「いずれは『明日の何時ころにどれくらいの大きさのフレアが発生し、地球にどのような影響があるか』を予報できるような“宇宙天気予報”を実現したい」(柴田氏)。宇宙が身近になればなるほど、この天気予報が重要になるに違いない。