部員のやる気を最大限に引き出す良い方法とは

今季の目標は、トップリーグ制覇と日本選手権優勝である。二冠を達成したら、南半球の最高峰リーグのチームと戦うチャンスをつくる、と約束した。選手のやる気に火をつけたのだ。

そのための人材も集めた。南アフリカ代表や豪州代表の選手を獲得し、戦力の充実を図った。当然、チーム内の競争は激化し、レベルを押し上げた。

エディーの目指すラグビースタイルは一貫している。ボールがスピーディに動く攻撃的ラグビー。サッカーでいえば、「バルセロナ」である。才能あふれる選手たちが細かいパスでボールをつなぎ、全員で連動するように攻めていくスタイルである。

「ひとりに合わせ周りも音楽を奏でるクラシックミュージックみたいなスタイルが好きだ。今季はより幅が広がり、柔軟性を持ったチームになった。どんな相手にも対応できる」

すなわち、円熟の境地。エディーは、組織づくりのキーポイントとして5つ、挙げた。(1)リーダーシップ(2)人材(3)チームカラー(4)規律ある組織風土(5)新しいものを取り入れる、である。

エディーは豪州タスマニア島出身。父が豪州人で、母は日本人である。少年時代からラグビーに熱中し、豪州のニューサウスウェールズ代表にまでなった。ポジションがフッカー。

「いたずらっ子みたいなプレーヤーだった。小さかったので、頭と口を使わないとダメだった」

高校教師を経て指導者になった。成功は向上心と努力の成せる業である。

妻も日本人。日本のメンタリティを学ぶため、人気ドラマ「スクール☆ウォーズ」の録画DVDをすべて見た。昨夏は水泳で北島康介選手を育てた平井伯昌コーチに話を聞きにいった。日本人を育てるためには。

「規律を守らせ、小さな成功の積み重ねが重要だとわかった」