挫折経験をバネにできるか

この経験を成長する機会ととらえるべきだと、ダットナーはアドバイスする。「挫折経験を振り返り、あれはすばらしい瞬間だったと思うことがよくあるものだ」と、彼は言う。

大局的な視点に立って、別の角度からとらえる努力をしよう。そのポジションを獲得できなかったもっともな理由があるはずで、あなたには今、自分のスキルを高め、新しい経験を身につける作業に取り組むきっかけができたのだ。もしかしたらあなたは現状に甘んじていたのかもしれず、この経験はもっと緊張感を持って仕事をしようという意欲をかき立ててくれるはずだ。

自分の能力を証明したいがために昇進に固執する人がいるが、自分は本当に昇進を望んでいたのかと、問い直してみよう。昇進できなかったことで何かを免れることができたのではないか。そのポジションについていたら、もっと多くの時間を仕事に捧げる必要があったかもしれないし、大きなストレスを感じていたかもしれないと考えてみよう。

本当に昇進を望んでいたのだという結論に達した場合には、昇進の何を最も望んでいたのかを考えてみよう。尊敬か、肩書か、金銭か。昇進以外にもそうしたものを手に入れる方法があるかもしれない。

人脈を築いておき「転職」という手も

このような挫折の後、最初に思うのは別の仕事を探そうということかもしれない。昇進を約束されていたのに反故にされた場合や、自分では絶対に変えられない理由のために昇進できなかった場合には、他社に履歴書を送るのが望ましいかもしれない。昇進できなかった理由がそれほど単純であることはめったにないものの、「他の機会に門戸を開いておくのはよいことだ」と、ダットナーは言う。社内の機会であれ社外の機会であれ、次の機会を見逃さないよう、人的ネットワークを維持しておくことを彼は勧めている。