日本のサービス産業は悲しいほどにタテ方向に、サービスアイテム別に許認可されている。そして、それがカルテルを形成してきた。ところがいま恐ろしいのは、インターネット的世界がそのカルテルを無意味なものにしかねないというところにあるのだ。アメリカは八〇年代は第二次産業の空洞化に悩んでいた。ところが彼らは、実際には二十一世紀型の第三次産業、つまり知的集約型第三次産業を強力に拡充していたのである。日本はそれをしてきただろうか。銀行、病院、教育、通信、航空……そのほとんどがタテ割り許認可制度の下にある。製造業よりもこれらのサービス業のほうが、ネットワーク社会においては空洞化の恐れが激しいということに、日本はいち早く気づくべきではないのか。その対策を誤ると、国家そのものの存続の問題になる。製造業の空洞化による雇用の損失は、理論上の最大値を取っても二五%しかない。しかしサービス業は、すでに六五%という大きなウエイトを占めていることを再び考えるべきだろう。