こうして、機能別に分権化されている場合には、多くの専門バカが発生し、「この事業」はどうすればもっと金が出てくるのか、シェアを増やせるのか、などについて統一した見解にまとめ上げる「権力」あるいは「頭脳」が存在しなくなってしまう。分権化ということは、中央でそれを管理できる力があってのことで、遠心力だけでは企業体がバラバラになってしまう、という最も根本的な物理原則が意外と理解されていない。だから創業者やワンマンといわれる社長のいるところでは、これが自動的に求心力となって、良きワンマンを得れば素晴らしい成果を生むようになるのであろう。

さて、このように分裂した状況にある場合には、外部の人間として役に立つことがある。それは、市場の分析を通じて得られたニーズというものを掲げて、営業・技術・製造というところを串刺しにしてしまうことができるからである。すなわち権力の壁を乗り越えて、事業としての眼を強制的に当てはめ、その場合に議論がどのようになるかを追求することができるからである。