私の購買計画の何よりの失敗は、大まかなガイドラインを持たないことであった。しかし、全面降伏の屈辱をとりあえず忘れて、少し冷静に私が毎日のように目にする各企業における事業計画のことを考えてみると、笑う気にはなれない。そこには願望と期待の入り混じった“明日こそは業績回復”曲線(マッキンゼー社内部では、これをひそかに「ホッケー・スティック」と呼んでいる)が例外なく示されているからだ。ホッケー・スティックそれ自体は悪いことではないように思われるかもしれないが、実はこうした強気の計画ゆえに、生産、在庫、人員などのすべてが強気の計画となり、もし業績が本当に回復しなかった場合には、収拾のつかないような状態になってしまうのである。またラインの作成するホッケー・スティックはトップ・マネジメントの判断を大きく誤らせ、本来ならとっくの昔に戦略的大判断を下していなくてはならない場合でも、“明日こそは”のカーブゆえにもう少し待ってみようかという気になってしまい、低業績、不採算事業から一抜け出せないという羽目になってしまう。