トヨタ(あるいは日産)が、従来どういう鋳物の買い方をしていたか、またそれは何故か? 下請業者のトヨタ(あるいは日産)に対する依存度はどのくらいか? 今後彼らの生計はどうなるか? もし、外国に購買先を求めたら競争相手日産(あるいはトヨタ)はどう動くか、それは、トヨタ(あるいは日産)にとって戦略的にどんな意味あいを持つか? 不況時の購買弾力性は十分か、競合他社が外国から購入しないとき、景気の好不況によるトヨタ(あるいは日産)の相対的強度はどう変わるか?

主語を入れた途端に発生する問題の数は多く、また複雑である。しかも、内情をよく知り、内部経済を徹底的に分析し、市場における競合状態と、競合の性格をよく理解しなくては解が求められない。また解を実施したときには、結果が予想通りいくかどうか、ということに対する直接の責任が、この仕事を担当した人のうえにふりかかってくる。

シンクタンクは、こうした実戦用には不向きである。レポートを書いて一件落着、という仕事に共通の、傍観者的立場を有するからである。だから、私は実戦ではシンクタンクは沈車(シンクタンク)とはなっても戦車(タンク)としては期待できない、と思っている。