通産省の分類によると、マネジメントコンサルタントは、シンクタンクとして取り扱われている。米語になかった意味を、シンクタンクという語に付加したのだから、ついでにコンサルタントやリクルーティング会社(人材銀行)まで含めた新しい日本語であります、と説明されれば納得できなくもない。しかし、シンクタンクはどう考えても、アメリカにあるリサーチ・インスティチュート、すなわち研究所である。メンロパークにあるSRI(スタンフォード研究所)に模して、NRI(野村総合研究所)やMRI(三菱総合研究所)といったものができた。これらのところでは、優秀な頭脳を集めて、企業や公共機関の将来にかかわる重要な問題を研究している。また、その結論はトップの人々の長期的意思決定に重要な影響を持つ。

ところが、こうした機関は、いわゆる企業戦略などに対して、今日のマネジメントの持っている種々のオペレーショナルな問題には深く入り込まない。「産業構造の変化が、多角化した大企業に与える影響は何か?」とか、「立地条件が厳しくなった日本で、アルミニウムの精錬業はどうなるか?」といった問題が得意である。また、鋳物購買の重点を韓国に移すか、国産でやるか、といった問題もこのような機関で取り扱える。

これらの例でお気づきのように、シンクタンクによって取り扱われるテーマには主語がない。「研究所」である以上はそれでよいのであるが、「誰にとって……」という部分が抜けているのである。