実は、一国の有する優秀なブレーンの数というものには限りがあるので、大企業がブレーンを独占すれば、周辺の弱小企業は潤わない。大企業は、ブレーンがあり余っているので無駄遣いをする。ホワイトカラーのブルーカラー化である。難問をかかえ、多くのブレーンをかかえていて、両者はかみ合わない、といった珍現象が表れてくる所以である。

解決には、大別して二つのアプローチが考えられる。一つは「道場破り」の促進である。多くの企業は、子会社や下請けをたくさんかかえているので、若い優秀な社員を、こうした小さな会社のトップに近いところで、思い切ってあばれられるように、どんどん出してしまうのである。年間一〇〇〇人の学卒をとる会社で、五〇〇人程度他人さまに献上しても、社業に影響が出るわけはない(ブルーカラー化しているから、変動費的に挙動してしまうのである)。(中略)「寄らば大樹」を「道場破り」にすることによって、若い管理者の芽を伸ばすべきである、と私は考える。過酷なようでも、こうして生き残った強力な企業家(entrepreneur)を、親会社のトップに呼びもどせるようなところまでこれをもっていければ、ミドルがお膳立てをしなければ、人前で話一つできないトップなどは早晩消えてゆくだろう。