退職を急いで、足元を見られるな

入社と違って、書類一つでいつでも簡単に出来るのが退職手続きだ。いざ抜けると決めた以上は、ムラ社会の暗黙の掟も気にする必要はない。それだけに、きちんとした手順を踏むことが重要となる。

まず、大前提として、退職の申し出の前に、転職先を確定させておくことが重要だ。「退職してひと月くらいゆっくりしたい」とか「世界一周旅行がしたい」という願望は誰でも持つだろうし個人的に理解もするが、履歴に半年以上のブランクが空くと、せっかく磨いたキャリア価値が下がってしまうことになる(逆にいえば、留学やボランティア等、そのブランクで自身のキャリアにプラスになるものをきっちり説明できるなら、それほど心配はいらない)。

とりあえず気分で退職するのも頂けない。中途採用の担当は新卒と違って容赦ないので、がんがん足元を見てくるはず。年収などの条件はもちろん、面接の日時まで、先方がイニシアチブを握ることになる。「(無職なんだから)お暇でしょ?」というわけだ。

なにより中途採用を見ていて思うのは、現職者の余裕ぶりだ。

「僕は今これだけの仕事を任されてこれだけ貰っているけど、お宅ではいくら貰えるの?」

文字に起こすと鼻につくかもしれないが、こういう余裕ぶった人材こそ、企業が中途で最も欲しいタイプ、即戦力型の人材である。こういった余裕は、リアルタイム無職で出せている人はお目にかかったことが無い。

多くの人が溜めこんでいると思われる有給休暇については、会社ごとに扱いが異なる。法律上は労働者の権利なのでいつでも自由に使えるはずだが、そうなっている企業はまず日本にはない。退職前にすべて消化させてくれるか(=実質的な退職日の前倒し)、特例として買い取りしてくれるか、あるいは一切特例はないから自力で何とかしろの3パターンがある。3番パターンだったらもうムラの掟に気を使う必要はないのだから、きっちり残務整理をした上で堂々と消化するといい。