これまで、自分年金向け商品と考えられてきたものは、ことごとく時代にマッチしにくい商品となってしまった。では、サラリーマン向きの自分年金商品はないのか?

と問われれば、筆者はゼロ・クーポン債をボーナスのたびに購入していくことをお勧めしたい。

ゼロ・クーポン債は、利息の支払いはなく、額面金額よりも割り引かれた価格で購入し、満期になると額面金額で償還される外国債券。償還期限は1年程度から、最長30年程度まであるので、満期償還時をずらして購入することにより、毎年、満期金を自分年金にすることができる。償還期限の長いものは、保有しているだけで外貨ベースの元本が3倍になるものもある。

額面1000通貨単位で投資できるため、たとえば、2028年8月15日に満期償還になるゼロ・クーポン債だと、額面の50.82%で購入できる。1000×50.82%=508.2米ドル。一米ドル=80円の場合なら、508.2米ドル×80円=4万656円払い込めばよい。仮に満期時の為替レートが80円と変わらなくても、満期には額面1000米ドルで償還され、1000米ドル×80円=8万円と円ベースでは約2倍が戻ってくる。

円安になれば収益はもっと増える半面、円高では元本割れリスクがあるが、購入金額4万656円÷額面1000米ドル=40.656円までの円高なら元本割れはしない(損益分岐点)。

将来の使う時期に満期償還時を合わせて、ゼロ・クーポン債をボーナスのたびに購入していくとよいだろう。

※すべて雑誌掲載当時

(坂本道浩=撮影)