(1)法律を読む技術・学ぶ技術
吉田利宏

(2)法律力養成講座
荘司雅彦

一般向けに書かれた法律の入門書。(2)は体系的にわかりやすくまとめられ、この分野で類書がない。

(3)ゼミナール民法入門
道垣内弘人

(4)ベーシック会社法入門
宍戸善一

法律の実用書2冊。(3)は、経済やビジネスにかかわる出来事がコラムで紹介され、わかりやすい。また頻繁に改訂されるため、新しい情報をインプットすることができるのがメリットだ。(4)は、コンパクトにまとめられ、読むのに時間がかからない。会社法の全体像をざっと頭に入れたい人におすすめ。この2冊に、自社に合ったコンプライアンス関係の本を1冊加えれば、ビジネスライフに必要な法律知識は十分補える。

(5)法とは何か
渡辺洋三

(6)法学に遊ぶ
長尾龍一

入門書や実用書で学ぶ「実学」に対して、そもそも法とは何か、法と社会の関係とは? といった基本に立ち返って哲学的な思考を深めるための2冊。(5)は日本社会の現実と輸入してきた法律がいかにかみ合わないかなどを検討した法社会学の本、(6)は特段の知識がなくても読める法哲学の本。

(7)手ごわい頭脳
コリンP・A・ジョーンズ

アメリカの弁護士は法律の勉強に熱心とは言えないが、交渉相手としてすこぶる手ごわい。どんなに不利な状況でも絶妙な切り返しで逆転しようとするのだ。彼らの思考法を現役アメリカン・ロイヤーが解説。海外の企業と仕事をする人の強い味方となるだろう。

(8)影響力の武器
ロバート・B・チャルディーニ [訳]社会行動研究会

(9)戦略的思考の技術
梶井厚志

社会現象が発生するメカニズム、人間行動の原則に迫る2冊。(9)はゲーム理論について、身近な事例を当てはめながらやさしく解説する入門書。まず本書を読んでから、ほかの類書に挑戦したい。ビジネス交渉だけでなく、買い物など実生活を賢く乗り切る戦略的思考を鍛えられるはずだ。

(10)犯罪捜査の心理学
越智啓太

(11)小説 離婚裁判
荘司雅彦

社会的な出来事を分析する際に視点を与えてくれる2冊。(10)ではFBIで採用されているものも含め、プロファイリングの技術が紹介される。犯罪が起きるメカニズムを理解できるだけでなく、効果的な防犯対策もわかる。(11)は、拙著ながら、日本でも深刻化するモラルハラスメントの実態をリアルに取り上げた小説。

※すべて雑誌掲載当時

(面澤淳市=構成 市来朋久=撮影)