「もし今夏、野田佳彦首相が消費税増税関連法案を争点に衆院の解散・総選挙に踏み切った場合、鳩山由紀夫元首相は落選し、菅直人前首相も危ないと見られている」(全国紙選挙担当デスク)

大政党が急速に国民の支持を失い、次の総選挙では大物議員が続々落選しそうな雲行きだが、そんな中、ただ一つ勢いに乗っているのが橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」。

橋下市長は、大阪市職員に組合、政治活動への参加を強制的に答えさせるなど、その“強面ぶり”が一部で反発を買っているものの、橋下氏の突破力に多くの国民が漠然とした期待を寄せている現状は変わらない。

だが維新の会は、今のところ地域政党にすぎず、政党としての要件を満たしていないというウイークポイントを抱えている。所属国会議員5人以上、もしくは1人以上かつ直近の国政選挙の得票率2%以上のいずれかの要件を満たせば政党と認められ、政党助成金を受けられるのだが、地域政党の場合は政党助成金が受けられず、小選挙区と比例区の重複候補が立てられないといった制約を受ける。

そこで維新内部で議論に上っているのが、他党の国会議員の引き抜きや既成の小政党との合併話だ。

すでに橋下氏が塾長の「維新政治塾」に民主党の国会議員が一人応募し、党内で物議を醸したが、水面下ではほかにも維新への転身を模索している議員がいるとみられる。果たして一本釣りで5人を確保できるかどうか。5人集められないときは小政党との合併という選択肢も。

「実際、維新内部では以前から、政策が近い渡辺喜美代表の『みんなの党』との合併について話し合われている。双方ともにブレーンがほぼ同じ。渡辺代表は維新が掲げる大阪都構想実現のために地方自治法の改正案も作って連携をアピールしている。みんなの議員は関東中心で大阪など関西が足場の維新と選挙区が重ならない。維新の“全国展開ら”には、みんなと組むのが最もやりやすい」(前出選挙担当デスク)

ただし維新関係者によると「みんなの幹部の中に“うちは中央政党だから”と先輩風を吹かす人がいて維新内部の反発を買ったことがある」ほか、「みんなと組むと、維新も既成政党とみなされる恐れがある」との慎重論もあるとか。渡辺代表は橋下氏のハートをつかめるか。