ファストフード(和食・中華)部門では、餃子の王将が1位に。単に安いだけでなく、多店舗展開しつつも、セントラルキッチン方式ではなく店舗での調理にこだわる姿勢が共感を呼んでいるようだ。

この部門では、牛丼チェーン3社の比較が興味深い。「おいしさ」で他2社を上回ったのは吉野家。一方「メニューの充実」の評価は、すき家が一歩抜け出し、吉野家は松屋にも後れを取った。この結果は、ある意味では予想通りだ。

これまで圧倒的だった「味なら吉野家」というイメージは揺らぎつつある。吉野家の味のイメージを支えてきたのは、牛丼一筋のこだわりだった。しかし、狂牛病騒動をきっかけにメニューを増やし、その後も牛丼一筋に立ち返る気配はない。

メニューの豊富さでは、多様なトッピングが売りのすき家や定食の種類が多い松屋にかなわない。牛丼一筋でもなく、メニューでも独自色を出せていない吉野家は、ややもすると中途半端な立ち位置に陥りかねない。今回の調査では部門2位に入ったが、本当に強いブランドを構築するには、戦略を見直す必要があるのかもしれない。

※すべて雑誌掲載当時

(坂本道浩、宇佐見利明=撮影 ライヴ・アート=図版作成 <マーケッターの眼>小野譲司/村上 敬=構成)