(1)会計のことが面白いほどわかる本 会計の基本の基本編
  天野敦之

(2)会計のことが面白いほどわかる本 新会計基準の理解編
  天野敦之

(2)は(1)の応用編。会計の「か」の字から学びたい人は、続けて読むといいだろう。

(3)人事屋が書いた経理の本
  協和醗酵工業株式会社

初版は1978年。なんと145刷の大ロングセラー。予算策定などの現場ですぐに役立つ一冊だ。

(4)課長の会計道
  千代田邦夫

内容の似たものはたくさんあるが、現場で直面する問題にフィットした章立てや切り口が秀逸で、腑に落ちやすい。

(5)ざっくり分かるファイナンス
  石野雄一

ここに挙げた本の中で、唯一財務戦略に関するテーマを扱っている。ほかにも類書はあるが、たいていは難しすぎる。M&Aで企業価値の算定が必要なとき、過去の投資案件の評価を行うときなど、お世話になる機会は意外と多いはずである。

(6)稲盛和夫の実学 経営と会計
  千代田邦夫

経営の第一線で会計に苦しんだ方が筆をとっているだけあって、会計と税務の解釈の違いなどに鋭く迫っている。税法のギャップに気づかせてくれる貴重な本だ。会計など知らなくても経営はできると高を括っている人にこそ、読んでほしい。

(7)新版 会計学入門 会計・監査の基礎を学ぶ
  千代田邦夫

会計の基本をすべて網羅しており、これ一冊で全体像をしっかりと把握することができるようになる。かくいう私も自著を執筆するにあたって、再読したものだ。日本の会計の特色や、そもそもの会計の目的などにも触れている。

(8)財務マネジメントの基本と原則
デイビッド・メッキン 國貞克則訳

(9)決算書がスラスラわかる財務3表一体理解法
  國貞克則

(10)財務3表一体分析法「経営」がわかる 決算書の読み方
  國貞克則

(9)は、会計の苦手な人たちに対して「木を見て、森を見ていない」という実感から書いた本。経験上、経理の専門家でも損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)との関係は理解していても、キャッシュフロー計算書(CS)まではカバーできていないことがままある。版元によると、30~40代の女性にもよく売れているという。想像では、経理担当者が頭の整理のために読んでくれるのではないかと思う。

※すべて雑誌掲載当時

(面澤淳市=構成 市来朋久・佐粧俊之=撮影)