子育て家族からの質問(3)

教育資金を準備する一方で、住宅ローンの繰り上げ返済も考えています。アドバイスはありますか。

吹田 子どもが大学を卒業するまでの期間というのは、どうしても支出が多くなりますし、家計も大きく変動します。その意味では、「この限られた期間をいかに乗り切るか」という発想が子育て家族のマネープランでは重要になるでしょう。住宅ローンについても、そうした視点から考える必要があります。

確かに住宅ローンの繰り上げ返済は、支払い総額が減るというメリットがあります。余裕資金があれば、積極的に行うべきでしょう。しかし、この余裕資金を考えるときに、今年、来年という短いスパンで捉えるのではなく、やはり子どもが大学を卒業するまでという長期的なスパンで計算してほしいのです。実際、「繰り上げ返済に力を入れすぎた結果、子どもが大学に入学する頃に貯金が底をついた」というのはよくある話です。資金ショートを起こしてしまっては本末転倒。教育ローンを借りるとなれば、住宅ローンよりも金利が高いものが一般的でしょう。今の時代、住宅ローンは比較的低い金利で借りられるお金の一つであることを認識しておくべきです。

子育て家族からの質問(4)

もっと上手に家計の管理をするために、効果的な勉強法があれば教えてください。

吹田 ファイナンシャル・プランナー(FP)という資格は、みなさんご存じだと思います。日本FP協会では、このFPを「家計のホームドクター」と呼んでいます。仕事にするという目的でなくても、こうした資格の取得に向けて勉強することは、家計管理やマネープランの質を高めることにつながるでしょう。

FPの勉強をするメリットの一つに、氾濫する金融情報に振り回されなくなることがあります。身につけた知識によって、氾濫する情報の価値や真偽を判断できるようになるのです。勉強中でも、資格取得後でも、実際の金融機関の商品広告などに注目することをお勧めします。最新の情報にアンテナを張ることで、お金に関する感度がいっそうアップするはずです。