吹田朝子 Tomoko Suita STコンサルティング有限会社 代表取締役 ファイナンシャル・プランナー(CFP) 1級ファイナンシャルプランニング技能士 国内保険会社の企画・調査・予算管理部門などを経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。一般家庭のライフプランおよび住宅ローン・保障・貯蓄運用などについてコンサルティングを行う。「輝く母のための金の学校」も主催。

子育ての時期は、家計の変動も大きい時期。ある程度のゆとりをキープしながら万全の準備を進めるには、知恵と工夫が必要になる。健全な家計を実現するポイントはどこにあるのか。ファイナンシャル・プランナーでSTコンサルティング代表の吹田朝子さんに伺った。

子育て家族からの質問(1)

子どもが上の学校に進学し、お金がかかります。まず何から始めればいいでしょうか。

吹田 教育費の負担が増してくるなか、収入と支出のバランスをいかに取るのかは、子育て家族の重大テーマに間違いありません。

しかしその前に、私がまずお話ししたいのは、「緊急予備資金」の重要性です。経済全体、また個々の会社を考えても、明日何が起こるか分からない──。先行きの不透明感は、現在ますます高まっています。

また、あってはほしくないことですが災害や事故なども、予測がつくものではありません。そうした、いざというときにすぐ動かせるお金を準備しておくことは、すべての家庭にとって必須といっていいでしょう。なぜなら、こうしたお金が準備されているかどうかで、精神的な安定度がずいぶんと変わってくるからです。

単にお金だけではなく、気持ちの部分でもしっかり基盤をつくってから、具体的なマネープランをスタートしてほしいと思います。「緊急予備資金」は通常の生活費の最低3カ月分、できれば6カ月分を準備しておくといいでしょう。